6月例会

6月21日(月)14時~15時30分 Zoom

参加:三田村、川田、田中(邦)、小川(洋)、三木、元、属、山脇、杉山、鷹、笹井

ゲストスピーカー:松嶋、神藤

 

今回は藤沢稲門会前事務局長で現在は業際Cafeという同好会を立ち上げた松嶋氏と、稲門会幹事の神藤氏をゲストでお呼びした。松嶋氏はブロックチェーンをかなり勉強しておられるので、不明な点はお聞きいただくといい。神藤氏は現役の金融機関顧問でもあるので、より現場に近い話も聞けよう。PCCとして初めての外部とのコラボであるが、これからの稲門会活動はこのように横の広がりをしていかないと、高齢化の悪循環からは抜け出せないであろう。そういう意味でひとつの解決策を提示しえたと自負する。

 

テーマ:仮想通貨とブロックチェーン

  • Bitcoinなど仮想通貨は現在1000種類近くあると言われる。
  • 代表格のBitcoinはこの時点で1Bitcoin =440万円の相場、一時は700万円まで跳ね上がった。
  • Bitcoinは2008年にサトシ・ナカモトという名前を使ったなぞの人物またはグループによって発明された、Peer to Peer型の暗号通貨である。
  • 広がったのはギリシャ通貨危機に端を発したタックスヘーブンキプロスの金融危機。キプロスに隠されていた脱税資金が行き場を失い、一斉にBitcoinに流れたため。
  • 仮想通貨は中央銀行券ではなく、Peer to Peerのネットワークとブロックチェーンという分散型台帳管理技術によって裏打ちされたもの。
  • 例えばAさんがBさんに100万円で土地を売却したとして、この取引を保証するのは、通常は登記とか銀行の資金移動記録となる。ブロックチェーンは、このAさんとBさんの取引を証人(目撃者)が大勢いて、見届けるようなもの。Bさんが金を受け取っていないと言い張っても、大勢の証人がそれを認めない。しかし世の中にはこうした取引は億単位であろうし、証人を大勢立てるわけにもいかない、さらに証人の記憶にも限界がある。またAさんもBさんも取引の中身を他人には知られたくないということもある。
  • そこで、サトシ・ナカモトが発明したのが、ブロックチェーン技術。まず取引を暗号化し、ひとつのブロックに詰める。このブロックにハッシュタグといわれる記号を付ける。これをチェーン上につないでゆく。このブロックをPeer to Peer(PtoP)のネットワークにのせ、ネットワーク上の膨大な数のコンピュータが相互確認する(コンセンサス・アルゴリズム)。こうして分散型台帳が出来上がるというわけだ。
  • 現在ではこの分散型台帳技術は通貨以外のあらゆる分野で活用されている。例えばカルテ。全国どこの医療機関でも、自分のカルテを利用できたら便利だろう。しかし政府のサーバーなどで中央管理されたら、ハッキングや人権侵害の可能性もある。そこで病院ごとの分散した台帳(コンピュータ)を病院の相互ネットワークでつなぎ、それぞれのカルテは暗号化されているとなれば安心だ。
  • 他にも選挙に用いれば昨年の米大統領選のように選挙管理会社による不正疑惑も起きないだろう。
  • 自動車部品メーカーと自動車メーカーの取引情報は、それぞれ個別に台帳管理されているが、これらの台帳がPtoPのネットワークでブロックチェーン化されていれば、部品に不具合があっても、いつどこのメーカーのどの車種に搭載されたかが、瞬時で分かる。
  • 相互確認プロセス(コンセンサス・アルゴリズム)は膨大な作業である。この作業をマイニングといい、マイニングをした企業には報酬としてBitcoinが付与される。体育館のようなところに何百という数の高性能コンピュータを並べ、膨大な電気を消費する。さらにコンピュータからの発熱をおさえるコストも膨大だ。そこで結果として電気代が安い寒冷地ということで中国企業が700社も参入し、マイニング市場を寡占している。
  • さらにBitcoinはマイニングで多少は増えるものの、すでに90%を5%の欧米人が所有しており、残り10%を庶民が市場で売買している状態。この5%の所有者がちょっと売りに走るだけで大暴落することは当然。あまりに振れが大きく通貨としては不適格なところから、最近は暗号資産と呼ばれ、もっぱら投機の対象となっている。
  • しかし中央銀行を通さない通貨の流通は、課税もできず国家の権威そのものを失墜させる。そこで各国通貨当局は中央銀行発行の仮想通貨を検討している。中国のデジタル人民元などがそれだ。
  • またカンボディアなど開発途上国でも分散型台帳技術による通貨発行を始めた。これは国民の多くが銀行口座も持っておらず、しかしスマホ(中古品だが)だけは持っているという事情からである。
  • 仮想通貨(暗号資産)を買ってみたいということなら、スマホで検索すれば、Bitフライヤーなど取引所のサイトがいくつも出てくる。ここに口座登録して、何コインをいくらで売りますという個人のリストの中から最安値を選んで買うことになる。小数点以下何桁か忘れたが、少額から取引可能である。もちろん売ることもできる。

さて、今回は少々難しすぎるテーマであったが、みなさん、ネットやYouTubeなどでブロックチェーンについて学んでほしい。この技術は世界を変える可能性が大である。

 

革命的と言われる技術

  1. 5G(高速通信)
  2. クラウド
  3. IoT(あらゆるものがインターネットにつながる)
  4. AI(人工知能)
  5. そしてブロックチェーン

かってPCCのこれからの方向は?と話し合ったとき、加藤先輩がパソコンからスマホへ、そのむこうはAIなんだけど、とりあえずはスマホだね、と言われ、今日があります。しかしついに「そのむこう」のひとつブロックチェーンに行き届きました。一方、私は、閉鎖された仲良しクラブから開かれた会にすべきと言ってきました。今回は2つのブレークスルーが実現した記念すべき例会でした。(笹井)

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コメント: 1
  • #1

    松嶋 交治 (土曜日, 03 7月 2021 18:23)

    この「6月例会記録」(スマホじゃなく)PCで初めて読んで「うまく纏まってるなぁ~」と感じました。(一部の技術用語の理解が異なるけど今日は控えます。) 結果的に「2つのブレークスルー」の片棒を担ぎました。(笑) 楽しゅうございました。私は”枝葉”を楽しむタイプなので、またお声掛けくださいませ。